借りる人も貸す人もハッピーに – 鵠沼の古民家パワースポット「Adagietto」

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藤沢・鵠沼に、築60年の古民家を活かした自宅兼レンタルスペースがあります。その名も「Adagietto(アダージェット)」。その名は、マーラー交響曲第5番の第4楽章に登場する弦楽曲から名付けられました。静かでやわらかな空気が流れるこの空間は、訪れる人の心を自然とほぐしてくれる“くつろぎの楽章”が奏でられる場所です。


父の思い出と家の歴史から生まれた場所

Miekoさんが4歳から暮らしてきたこの家は、結婚後に一度東京へ移り住んだこともありましたが、子供が生まれたのを機に再び戻って2世帯で30年弱暮らしてきました。両親が亡くなり、かつて賑わった空間が空いたとき、大きな断捨離を行ったそう。タンスやアルバムから次々に思い出があふれ出し、父がこの家をどれほど大切にしていたかを改めて感じたといいます。

「人が集まって笑ってくれたら、父も喜ぶだろう」
そう思えたとき、この古民家を場として開くことを決めたといいます。


和室・ピアノ・庭──多彩に使える古民家

1階にはキッチンやベッドルーム、裏には洗面所やお風呂場も備え、泊まることも可能。2階の和室は畳ならではの落ち着きがあり、ヨガや筋膜リリースが行われています。

そして最大の特徴はピアノ室。Miekoさんはピアノの指導も行っており、そこにはグランドピアノが2台並んでいます。彼女はピアニストとしても活動しており、もう一人のピアニストとともに「M2」というDUOを組んで演奏を行っています。レッスンはもちろん、ミニコンサートとしても使用でき、「2台同時に演奏できる機会は貴重」と、ここならではの音楽のひとときを楽しむことができます。

庭には桜の木などがあり、そこまで手入れはしていないというものの、自然な時間が流れ、古民家の懐の深さを感じます。


人をつなぐ出会いの場

このスペースの魅力をさらに広げているのは、人との出会いです。駅から近く、海まで徒歩15分という立地は、来る人にとって最高の立地です。

「私もイベントを開催してくれてありがとうとなりますし、ここに来る人が“ありがとう”と言って帰ってくれる。その循環が何より嬉しいんです」
まさに感謝と愛の循環の場として、この古民家は生き続けています。

借りる人も、貸す人も、お互いに感謝の気持ちを交わし合う──まさに愛と感謝が循環するパワースポットです。今後は、ケーキ作りや個展を目指す人とのコラボ、カフェとアートや音楽を組み合わせたイベント、さらには健康をテーマにした発信など、新たな展開も構想中とのこと。


取材を終えて

「Adagietto」という名前を語るMiekoさんの表情は、エネルギーに満ちていました。それは単なる名称ではなく、人生の思い出や家族の記憶、未来への願いをすべて束ねているからこそ。音楽や家族への愛情と、場を訪れる人に「ゆったりくつろぎ」を届けたいという思い。そのすべてが「Adagietto」という響きに込められています。

古民家の温もりと音楽の余韻が重なり合う場所。
「Adagietto」は、まさに“くつろぎの楽章”が奏でられる舞台です。

Adagietto

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ピアノDUOM2

ピアノDUOM2 Mariko Mieko Ogino Wakimoto
ピアノDUO M2 西川麻里子 荻野美惠子によるピアノDUOやソロの演奏チャンネル